ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

リポ多糖およびRANKLで刺激したRAW264.7細胞における、ケルセチンとグルクロン酸の結合位置の違いが、代謝および生理活性に与える影響

Comparison of metabolism and biological properties among positional isomers of quercetin glucuronide in LPS- and RANKL-challenged RAW264.7 cells

著作名:
Miyu Nishikawa
Yuriko Kada
Mirai Kimata
Toshiyuki Sakaki
Shinichi Ikushiro
出典:
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
2022
86
1670–1679
DOI:
10.1093/bbb/zbac150
キーワード:
ケルセチン
代謝物
グルクロン酸
位置異性体
構造活性相関
マクロファージ
RAW264.7
要旨:
ケルセチンの主代謝物は、相当する3-O-グルクロン酸抱合体である。他の位置にグルクロン酸が結合した副代謝物を含めた、構造活性相関を網羅的に調査した。7位にグルクロン酸が結合した異性体は、一連の化合物の中で最も細胞毒性が強く、中性条件下で不安定であった。3位に結合した主代謝物は、マクロファージRAW264.7をリポ多糖で刺激した際の、IL-6の誘発を抑制した。また、同細胞をNF-κB受容体活性化因子(RANKL)で刺激した際の、TRAP(破骨細胞のマーカー)も阻害した。3'位および4'に結合した副代謝物は、細胞毒性がなく、多彩な生理活性を示した。グルクロン酸との結合を切断してアグリコンに戻る性質は、3位の主代謝物が最も強力であった。