3種類の標的を備えた水溶性ケルセチン複合体は、マイトファジーを活性化して、脳虚血にニューロン保護効果を発揮する
A Water-soluble Quercetin Conjugate with Triple Targeting Exerts Neuron-protective Effect on Cerebral Ischemia by Mitophagy Activation
- 出典:
- Advanced Healthcare Materials
- 2022
- 11
- 2200817
- DOI:
- 10.1002/adhm.202200817
- 要旨:
- ケルセチンにヒアルロン酸を結合して、水溶性が向上すると同時に、2つの標的を獲得した。すなわち、ヒアルロン酸はCD44と高い親和性を有し、ヒアルロニダーゼにより加水分解される性質が利用できる。ヒアルロン酸の次には、血液脳関門(BBB)を通過してミトコンドリアを認識するペプチドSS31と結合して、第3の標的とした。脳虚血によりCD44とヒアルロニダーゼが過剰に発現するが、設計した新規DDSは、虚血領域へ確実にケルセチンを送達した。さらに、脳虚血で損傷したミトコンドリアにも、SS31により接近した。標的に送達されたケルセチンは、マイトファジーを活性化してニューロンを保護した。