中医学で用いられるYishen Qutong顆粒に含まれるケルセチンの食道癌に対する効果の、ネットワーク薬理学とin vitro実験による検証
Network Pharmacology and in vitro Experimental Verification on Intervention of Quercetin, Present in Chinese Medicine Yishen Qutong Granules, on Esophageal Cancer
- 出典:
- Chinese Journal of Integrative Medicine
- 2023
- 29
- 233–243
- DOI:
- 10.1007/s11655-022-3677-6
- 要旨:
- Yishen Qutong顆粒(YSQTG)は、中医学で食道癌の治療に用いられる。メカニズムの詳細を解明すべく、YSQTGの化合物-標的ネットワークを構築した。その結果、ケルセチン・ルテオリン・オウゴニン・ケンフェロール・バイカレインを活性成分として特定した。蛋白質相互作用ネットワークを解析した結果、食道癌におけるYSQTGの主な標的遺伝子は、c-Jun・IL-6・TNF-α・RELAであった。In vitro実験の結果、ケルセチンは食道癌細胞の増殖・浸潤・クローン形成を阻害した。また経路解析にて、ケルセチンが関与するシグナル伝達は、MAPKとNF-κBであると決定した。