II型糖尿病患者の血糖状態・脂質プロファイル・動脈硬化指数・脳由来神経栄養因子(BDNF)・炎症および酸化ストレス因子に対する、ルチン摂取の効果: 二重盲検・プラセボ対照試験
The effects of rutin flavonoid supplement on glycemic status, lipid profile, atherogenic index of plasma, brain-derived neurotrophic factor (BDNF), some serum inflammatory, and oxidative stress factors in patients with type 2 diabetes mellitus: A double-blind, placebo-controlled trial
- 出典:
- Phytotherapy Research
- 2023
- 37
- 271-284
- DOI:
- 10.1002/ptr.7611
- 要旨:
- II型糖尿病患者50名を対象とする、ルチン摂取の効果を検証した臨床研究。25名ずつランダムに2群に分け、介入群はルチン1 g/day(500 mgずつ1日2回)を摂取し、対照群はプラセボを服用した。3カ月の摂取期間が終了した後、各種検査を行った。摂取期間の前後における変化が、ルチン群と対照群との群間有意差を認めた項目は、以下の通り。血糖状態に関する項目: 空腹時血糖値 (P<0.001)・HbA1c (P<0.001)・インスリン (P=0.02)・HOMA-IR (インスリン抵抗性の指標, P<0.001)・QUICKI (インスリン感受性の指標, P<0.001)。血中脂質および動脈硬化に関する項目: LDL (P<0.001)・中性脂肪 (P=0.02)・総コレステロール (P<0.001)・VLDL (P=0.02)・HDL (P<0.001)・HDL/LDL比 (P<0.001)・動脈硬化指数 (P<0.001)。血中の炎症および酸化ストレス因子: IL-6 (P=0.002)・総抗酸化能 (P<0.001)・マロンジアルデヒド (P<0.001)。なお、ルチンの摂取により脳由来神経栄養因子(BDNF)の増加傾向は認めたが、群間有意差には至らなかった。