ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

サツマイモとタマネギとの組合せの摂取が血漿ケルセチン濃度に及ぼす影響と、腸のβ-グルコシダーゼ活性が関与するメカニズム

Lowering effect of combined sweet potato and onion intake on plasma quercetin concentration and underlying mechanism involving intestinal β-glucosidase activity

要旨:
タマネギ200 g(ケルセチン100 mg相当)の摂取時における、他の食物を共摂取した際の影響を検証した。対象食物は、1) 共摂取なし、2) 鶏胸肉、3) 豚腹肉、4) サツマイモであり、蛋白質・脂質・デンプンを多く含む食品の影響の調査である。6名の健常者を対象に、ケルセチンの体内濃度をクロスオーバーで測定した結果、4)の低下が他と比べて著しかった。別途実施したラット由来β-グルコシダーゼを用いるvitro実験では、過剰なグルコースの存在が、ケルセチン配糖体の加水分解を妨げた。以上の結果は、サツマイモの共摂取によるグルコースが、タマネギ由来のケルセチン配糖体の加水分解を妨害し、血中ケルセチン濃度の上昇を阻害したことを示唆した。