ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンは腸炎ビブリオによる食品表面のバイオフィルム形成を阻害し、病原性遺伝子も下方調節する

Antimicrobial Efficacy of Quercetin against Vibrio parahaemolyticus Biofilm on Food Surfaces and Downregulation of Virulence Genes

要旨:
腸炎ビブリオ(サルモネラ菌と並ぶ食中毒の原因)を用いて、ケルセチンのバイオフィルム形成阻害作用を検証した。ケルセチンの腸炎ビブリオに対する最小発育阻止濃度(MIC)は220 μg/mLであるが、その1/2以下の0~125 μg/mLの濃度を検証した。その結果、エビおよびカニの殻の表面におけるバイオフィルム形成の阻害効果はそれぞれ、0.68–3.70および0.74–3.09 log CFU/cm2であった(P<0.05)。電界放出型走査電子顕微鏡で観察したところ、ケルセチンは細胞間の切断にて細胞溶解を誘発して、バイオフィルムの発達を阻害した。ケルセチンはまた、鞭毛の運動性(flaA・flgL)・バイオフィルム形成(vp0952・vp0962)・クオラムセンシング(luxS・aphA)の各遺伝子の発現を下方調節した。