逆説睡眠不足のマウスモデルにてケルセチンは、ミクログリアの異常な活性化を阻害して記憶障害を改善する
Quercetin ameliorates memory impairment by inhibiting abnormal microglial activation in a mouse model of paradoxical sleep deprivation
- 著作名:
- Yangming Zhang
- Yuqiao Xie
- Zishuo Cheng
- Kaiwen Xi
- Xin Huang
- Fang Kuang
- Wenting Wang
- Tiaotiao Liu
- Baolin Guo
- Shengxi Wu
- 出典:
- Biochemical and Biophysical Research Communications
- 2022
- 632
- 10-16
- DOI:
- 10.1016/j.bbrc.2022.09.088
- 要旨:
- 逆説睡眠(レム睡眠)不足によるマウスの記憶障害と、ケルセチンによる改善効果を新奇探索試験で明らかにした。逆説睡眠不足のマウスは、新奇探索試験のスコアを大幅に低下したが、ケルセチンが用量依存的に改善した。新奇探索試験の最中に測定した正常なマウスの脳波は、新奇物体に対峙した時のガンマバンドが、馴化物体に比べて強く出た。睡眠不足におけるガンマバンドの強度は、新奇物体と馴化物体とで差がなくなった。しかし、ケルセチンの投与は、物体の違いによるガンマバンドの強度差を用量依存的に復活した。ケルセチンはまた、逆説睡眠不足に起因するTLR4・MyD88・NF-κBの発現を抑制し、TLR4/MyD88/NF-κBシグナル伝達によるミクログリアの異常な活性化を阻害するメカニズムを見出した。