MMP阻害剤および架橋剤としてのケルセチンの二重機能で、象牙質の侵食と摩耗を防止する
Dual function of quercetin as an MMP inhibitor and crosslinker in preventing dentin erosion and abrasion: An in situ/in vivo study
- 出典:
- Dental Materials
- 2022
- 38
- e297-e307
- DOI:
- 10.1016/j.dental.2022.09.019
- 要旨:
- ヒト象牙質を浸食および摩耗攻撃した際の保護効果を検証した。ケルセチン濃度150 μg/mLもしくは300 μg/mLで処置すると、既存殺菌剤クロルヘキシジン120 μg/mLによる処置と比べて有意に(P<0.05)、象牙質の損失を減少した。ケルセチンは象牙質由来のMMPを阻害し、濃度75 μg/mLもしくは150 μg/mLでクロルヘキシジンより有意(P<0.05)であった。ケルセチンとコラーゲンとは水素結合による架橋相互作用を示し、架橋度は濃度依存的に増加した。ケルセチンは象牙質の深さ25〜30 μmの範囲に浸透して、その場所でMMP阻害作用とコラーゲン架橋作用を発揮するため、象牙質の侵食と摩耗を強力に防止した。