タプシガルギンで刺激した肝細胞における小胞体ストレスは、ケルセチンが緩和する
Endoplasmic Reticulum Stress-Relieving Effect of Quercetin in Thapsigargin-Treated Hepatocytes
- 出典:
- Food Supplements and Biomaterials for Health
- 2022
- 2
- e16
- DOI:
- 10.52361/fsbh.2022.2.e16
- 要旨:
- 肝細胞HepG2にセスキテルペノイドの一種タプシガルギンを作用すると、小胞体ストレス応答の上流にある蛋白質(GRP78・リン酸化eIF2α・リン酸化IRE1α・リン酸化JNK)に加えて、下流にあるXBP1やCHOPまで発現が増加した。ケルセチンは、これらの蛋白質やmRNAの増加を阻害して、小胞体ストレスを抑制した。タプシガルギンが上昇させケルセチンが抑制する蛋白質には、炎症誘導性のTNF-α・IL-1β・IL-6・NF-κBや、インスリンシグナル伝達を抑制するIRS-1も含まれる。よって、ケルセチンの抗炎症作用とインスリン抵抗性改善効果は、小胞体ストレスの緩和が根底にあることを示唆した。