ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンを含むナノ乳濁液は、アルツハイマー病モデルの神経機能障害を改善する

Quercetin Nanoemulsion Ameliorates Neuronal Dysfunction in Experimental Alzheimer’s Disease Model

要旨:
塩化アルミニウムで惹起したアルツハイマー病のモデルラットを用いて、ケルセチンの投与方法を検討した。1) フリーのケルセチンの腹腔内投与、2) フリーのケルセチンの経口投与、3) ケルセチンナノ乳濁液の経口投与をそれぞれ30日間行い、塩化アルミニウムがもたらした脳内の酸化ストレス・炎症・伝達物質の改善状況を評価した。評価項目は以下の通り。脳酸化ストレス: SODとGSHの上昇、マロンジアルデヒドと酸化体蛋白質の減少。炎症: TNF-α・IL-1β・アディポネクチンの減少。伝達物質(脳神経機能障害の指標): ドーパミン・ノルエピネフリン・セロトニンの減少。3領域の全てにおいて、1)はほとんど改善せず、2)と3)には顕著な改善効果を認めたが、3)の方が良好な結果であった。よって、ケルセチンを含むナノ乳濁液の有効性が顕著であった。