ケルセチンはHsp27およびCOX-2を二重阻害して、膠芽腫をt-AUCBに感作する
Quercetin sensitizes glioblastoma to t-AUCB by dual inhibition of Hsp27 and COX-2 in vitro and in vivo
- 出典:
- Journal of Experimental & Clinical Cancer Research
- 2016
- 35
- 61
- DOI:
- 10.1186/s13046-016-0331-1
- 要旨:
- 可溶性エポキシド加水分解酵素(sEH)阻害剤であるt-AUCBは、ヒト由来膠芽腫細胞U87およびU251の増殖・遊走・浸潤を阻害し、細胞周期のG1期を停止するが、アポトーシスは誘導しない。その一方で、Hsp27を活性化して、COX-2が過剰発現すると、神経膠芽腫にt-AUCBに対する耐性を付与した。Hsp27とCOX-2の両方を阻害するケルセチンをU87およびU251に作用すると、t-AUCBに感作することを確認した。U87をマウスに移植したモデルにt-AUCBを投与しても、腫瘍組織の成長は、投与なしの対照群とほぼ同じであった。しかし、ケルセチンの投与は顕著な成長抑制を示し、t-AUCBとケルセチンの共投与はさらに効果的であった。