ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

アテローム性動脈硬化症にケルセチンが効く新しいメカニズム: KEAP1のArg483に競合的に結合して、マクロファージのパイロトーシスを阻害する

A novel anti-atherosclerotic mechanism of quercetin: Competitive binding to KEAP1 via Arg483 to inhibit macrophage pyroptosis

要旨:
アテローム性動脈硬化症のモデルマウスにケルセチンを投与すると、マクロファージのパイロトーシスを阻害した。パイロトーシス後のマクロファージの残骸は血管内皮にプラークを形成するが、このプラークがアテローム性動脈硬化症の本質であり、その上流をケルセチンが阻害した。ケルセチンはKEAP1に結合して、活性化されたNRF2がKEAP1から遊離した。その結果、大動脈中のNRF2が増加し、パイロトーシスとアテローム性動脈硬化症の進行を抑制した。分子ドッキングの結果は、KEAP1のArg483が、ケルセチンのO-1および7-OHと静電気的に相互作用することを示唆した。