木材の耐腐朽性を向上する、ケルセチンによる修飾
Quercetin-grafted modification to improve wood decay resistance
- 出典:
- Holzforschung
- 2022
- 76
- 1013-1022
- DOI:
- 10.1515/hf-2022-0110
- 要旨:
- シュウ酸をリンカーとして機能させ、木材にケルセチンを結合した。すなわち、シュウ酸が有する2つのカルボン酸の片方は木材とエステル結合し、もう片方はケルセチンとエステルを形成した。ケルセチンを取込んだ木材は、白色腐朽菌(Trametes versicolor)と褐色腐朽菌(Gloephyllum trabeum)に対する耐腐朽性が大幅に改善された。また、破壊係数の低下と、弾性係数の向上も認めた。ケルセチン/シュウ酸の配合比率は1:2が最適であり、木材の細胞壁の厚さは最大で2.2 μm増加した。