エタノールがラットに誘発した胃潰瘍のケルセチンによる改善: Nrf2/HO1およびHMGB1/TLR4/NF-κB経路の意義
Amelioration of ethanol-induced gastric ulcer in rats by quercetin: implication of Nrf2/HO-1 and HMGB1/TLR4/NF-κB pathways
- 出典:
- Heliyon
- 2022
- 8
- e11159
- DOI:
- 10.1016/j.heliyon.2022.e11159
- 要旨:
- エタノールで惹起した胃潰瘍のモデルラットを用いる、ケルセチンの薬効評価。ケルセチンを投与すると、胃潰瘍が86%減少し、病変スコアは0.3倍になった。ケルセチンはNrf2・HO-1・SOD・カタラーゼを著しく上昇し、HMGB1・TLR4・NF-κB・TNF-α・マロンジアルデヒドは減少した。ケルセチンはまた、Bax/Bcl2比を下げて、胃組織のアポトーシスを軽減した。従って、ケルセチンはNrf2/HO-1経路を活性化し、HMGB1/TLR4/NF-κB経路は抑制して、抗酸化作用・抗炎症作用を発揮し、アポトーシスを阻害した。なお、ケルセチン50 mg/kgの投与は、ポジコンとして用いた既存薬ファモチジン20 mg/kgの投与と同等の効果を示した。