PI3K/AKTおよびTNFシグナル伝達経路を介して潰瘍性大腸炎を治療するHedysarum multijugum: ネットワーク薬理学と分子ドッキング
Hedysarum multijugum Maxim treats ulcerative colitis through the PI3K-AKT and TNF signaling pathway according to network pharmacology and molecular docking
- 出典:
- Annals of Translational Medicine
- 2022
- 10
- 1132
- DOI:
- 10.21037/atm-22-4815
- 要旨:
- マメ科の植物Hedysarum multijugum Maxim(HMM)は中医学で汎用され、潰瘍性大腸炎に有効性が知られている。その潜在的な作用機序を明らかにすべく、ネットワーク薬理学と分子ドッキングでアプローチした。潰瘍性大腸炎に関連しHMMの標的となりうる遺伝子121個を、データベースでピックアップした。京都遺伝子ゲノム百科事典(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes, KEGG)で蛋白質間相互作用のネットワークを解析した。その結果、4種類の成分(ケルセチン・ケンフェロール・ホルモノネチン・イソラムネチン)と5種類の遺伝子(RELA・MAPK14・MAPK1・JUN・AKT1)を特定し、PI3K/AKTおよびTNFシグナル伝達経路の調節を示唆した。分子ドッキングは、受容体とHMMの4成分との高い結合親和性を示唆した。