ケルセチンと多嚢胞性卵巣症候群; 炎症・ホルモンパラメータ・妊娠転帰: 無作為化臨床試験
Quercetin and Polycystic Ovary Syndrome; Inflammation, hormonal parameters and pregnancy outcome: A Randomized Clinical Trial
- 出典:
- American Journal of Reproductive Immunology
- 2023
- 89
- e13644
- DOI:
- 10.1111/aji.13644
- 要旨:
- 72名の多嚢胞性卵巣症候群患者を対象とする、ケルセチンの摂取による、炎症およびホルモンパラメータを改善効果を検証した臨床研究。被験者をランダムに2群に分け、片方はケルセチン500 mg/dayを40日間摂取し、残りは対照群としてプラセボを服用した。摂取期間の前後に血液検査を行い、血中のIL-6・TNF-α・黄体形成ホルモン・卵胞刺激ホルモン・抗ミュラー管ホルモンのベースラインからの変化をモニタした。その結果、ケルセチンの摂取は、IL-6 (P=0.001)・TNF-α (P=0.008)・黄体形成ホルモン (P=0.029)を顕著に低減したが、卵胞刺激ホルモンと抗ミュラー管ホルモンには群間有意差を認めなかった。また、ケルセチンの摂取は、多嚢胞性卵巣症候群患者の卵母細胞の胚グレードを改善して、妊娠率を向上した。