ケルセチンは、抗生物質で処置したマウスの腸内細菌叢の遺伝子発現と代謝経路に有益である
Quercetin positively affects gene expression profiles and metabolic pathway of antibiotic-treated mouse gut microbiota
- 著作名:
- Wei Mi
- Zhiyong Hu
- Lanlan Xu
- Xiangyu Bian
- Wu Lian
- Shuying Yin
- Shuying Zhao
- Weina Gao
- Changjiang Guo
- Tala Shi
- 出典:
- Frontiers in Microbiology
- 2022
- 13
- 983358
- DOI:
- 10.3389/fmicb.2022.983358
- 要旨:
- マウスに4種混合した抗生物質を投与して、腸内細菌叢をリセットした。その後2群に分け、ケルセチン群は0.2%のケルセチンを含む餌を与え、対照群は通常の餌を与えた。14日後の腸内細菌叢を調べたところ、ケルセチン群は対照群と比べて善玉菌が増大した。これらの善玉菌は、短鎖脂肪酸(酪酸・プロピオン酸)の産出および密着結合蛋白質(ZO-1・オクルディン)の発現と正の相関を示す一方、血中のリポ多糖・TNF-αレベルとは負の相関を認めた。また、代謝経路の解析結果は、ケルセチンが促進/阻害する経路を明らかにした。すなわち、ケルセチンは、スプライセオソーム・密着結合・クエン酸回路・ピルビン酸代謝・リジンの生合成を促進し、脂質の生合成・N-グリカンの生合成は阻害した。