ケルセチンの摂取は運動後の筋損傷の回復を促進する: 無作為化プラセボ対照臨床研究のシステマティックレビューとメタ解析
Quercetin supplementation promotes recovery after exercise-induced muscle damage: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials
- 出典:
- Biology of Sport
- 2023
- 40
- 813–825
- DOI:
- 10.5114/biolsport.2023.121320
- 要旨:
- 各種データベースを検索して得た、ケルセチン摂取が運動後の筋損傷に及ぼす影響を検証した無作為化プラセボ対照臨床研究の論文13件を対象にシステマティックレビューを行った。また、被検者249名のデータを統合して、メタ解析を行った。その結果、24時間後の筋肉痛(標準化平均差: -1.33, 95%信頼区間: −2.57, −0.09, P=0.03)、24もしくは48時間後のクレアチンキナーゼ(標準化平均差: -1.15, 95%信頼区間: −2.09, −0.21, P=0.03)、酸化ストレス(標準化平均差: -0.92, 95%信頼区間: −1.73, −0.11, P=0.03)に有意差が見られ、筋損傷の回復を示唆した。一方、IL-6(標準化平均差: -0.09, 95%信頼区間: −0.42, 0.23, P=0.58)と抗酸化能(標準化平均差: 0.26, 95%信頼区間: −0.01, 0.54, P=0.06)には、有意差が見られなかった。ケルセチンの1日当たりの摂取量は、13件うち1件のみ500 mgで、後は全て1000 mgであった。摂取期間は7~12週間で、特別な有害事象は見られなかった。