ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンの二重効果: ドキソルビシンがラットに誘発した腎毒性の軽減、ドキソルビシンのヒト癌細胞に対する細胞毒性の増強

Dual effects of quercetin in doxorubicin-induced nephrotoxicity in rats and its modulation of the cytotoxic activity of doxorubicin on human carcinoma cells

要旨:
ドキソルビシン(15 mg/kg)でラットに惹起した腎毒性の軽減効果として、ケルセチンの共投与の量(10, 50, 100 mg/kg)を比較した。その結果、最低用量の10 mg/kgが最も良好に、腎機能(血中の尿素窒素・クレアチニン)を改善し、酸化ストレス(マロンジアルデヒドの低減・カタラーゼ活性の向上)を軽減し、炎症(TNF-α・IL-1β)とアポトーシス(カスパーゼ)を抑制した。その一方で、前立腺癌細胞株PC-3・子宮頸癌細胞株HeLa・乳癌細胞株MCF-7・肝癌細胞HepG2に対するドキソルビシンの細胞毒性は、妨害をせず増強した。