ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンは、高カルニチン食がマウスに誘発したトリメチルアミン-N-オキシドの形成を減少して、肝毒性を緩和する

Quercetin inhibits hepatotoxic effects by reducing trimethylamine N-oxide formation in C57BL/6J mice fed with a high L-carnitine diet

要旨:
カルニチンは体内で代謝され、肝毒性を有するトリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)を生成する。カルニチンを投与したマウスは、血および尿中のTMAO濃度が上昇したが、その後のケルセチンの投与が用量依存的に減少した。カルニチンは、血中のAST・ATLと肝中のIL-1・IL-6・TNF-αを上昇して肝機能の低下と炎症を誘発した。カルニチンはまた、脂質代謝異常(総コレステロール・LDL・中性脂肪の上昇、HDLの低下)と肝組織の酸化ストレス(マロンジアルデヒドの上昇、SOD・GPx・フリーラジカル消去能の低下)をもたらした。しかし、ケルセチンの投与は、これらの異常を用量依存的に改善した。肝組織切片の染色実験も、カルニチンによる損傷と、ケルセチンによる回復を支持した。