ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

柴胡と香附子の組合せによる肝細胞癌の治療メカニズム

Exploring the mechanisms underlying the therapeutic effect of the Radix Bupleuri-Rhizoma Cyperi herb pair on hepatocellular carcinoma using multilevel data integration and molecular docking

要旨:
柴胡と香附子の組合せは肝細胞癌に有効であるが、その標的遺伝子と作用機序を明らかにした。TCMSP(Traditional Chinese Medicine System Pharmacology Database)を検索した結果、柴胡と香附子の有効成分はケルセチン・イソラムネチン・ケンフェロール・スチグマステロールであり、4成分の相乗効果を示唆した。京都遺伝子ゲノム百科事典(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes, KEGG)の解析結果は、主に代謝経路・p53シグナル伝達経路・細胞周期を介する肝細胞癌の進行抑制を示した。さらに、細胞周期に関連する標的蛋白質6種(CCNB1・CDK1・CDK4・MYC・CDKN2A・CHEK1)を特定した。分子ドッキングの結果、ケルセチンはCCNB1・CDKN2A・CHEK1と親和性を示し、イソラムネチンはCHEK1と親和性を示し、ケンフェロールはCHEK1と親和性を示した。