ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ネットワーク薬理学と実験で解明した、ケルセチンによる甲状腺乳頭癌の抑制メカニズム

To Explore the Inhibitory Mechanism of Quercetin in Thyroid Papillary Carcinoma through Network Pharmacology and Experiments

要旨:
ケルセチンが甲状腺乳頭癌に効力を示すメカニズムを解明すべく、ネットワーク薬理学解析を行った。その結果、蛋白質間相互作用のネットワークが構築され、4種の標的遺伝子(MMP9・JUN・SPP1・HMOX1)を特定した。これらの標的遺伝子は、炎症性微小環境に関与する各種シグナル伝達(TNF・PI3K/AKT・NF-κB)に含まれていることを確認した。分子ドッキングの結果は、各々の標的遺伝子が産出する蛋白質の全てに、ケルセチンが安定に結合することを示唆した。実験結果として、ケルセチンは甲状腺乳頭癌細胞株TPC1の増殖・遊走・浸潤を強力に阻害した。