骨付き鶏モモ肉のフライ工程にて、ケルセチンと油水分離系が、β-カルボリン類の生成に与える影響
Effect of quercetin and oil water separation system on formation of β-carboline heterocyclic amines during frying process of braised chicken drumsticks
- 出典:
- Current Research in Food Science
- 2023
- 6
- 100406
- DOI:
- 10.1016/j.crfs.2022.100406
- 要旨:
- 骨付き鶏モモ肉を揚げる際、β-カルボリン環なる発癌物質がしばしば生成する。実際、油の再利用において、使用回数が8~10回になると、β-カルボリン類の生成が急増した。水もしくはケルセチンの油への添加が、β-カルボリン類の生成を抑制するかを検証した。なお、β-カルボリン類は、9H-pyrido [3,4-b] indole (ノルハルマン)と1-methyl-9H-pyrido [3,4-b] indole (ハルマン)の2種類の生成をモニタした。水を添加して油水分離系で鶏モモ肉を揚げると、ノルハルマンの生成抑制率は64.1%であり、ハルマンは28.2%であった。ケルセチンを添加すると、ノルハルマンの生成抑制率は28.7%であり、ハルマンは27.3%であった。両者を添加したケルセチンを含む油水分離系では、ノルハルマンの生成抑制率は80.2%であり、ハルマンは47.0%であり、相乗効果を認めた。加熱時において水およびケルセチンは、トリプトファンを鶏肉中に維持して、β-カルボリン類への化学変化を抑制した。