ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

活性酸素種に応答するミトコンドリア標的リポソームに含まれるケルセチンは、SIRT1/FOXO3Aおよびp38 MAPKシグナル伝達経路を調節して、網膜の虚血再灌流傷害を軽減する

Reactive oxygen species-responsive mitochondria-targeted liposomal quercetin attenuates retinal ischemia–reperfusion injury via regulating SIRT1/FOXO3A and p38 MAPK signaling pathways

要旨:
活性酸素種の過剰産出に起因する網膜の虚血再灌流傷害は、しばしば失明を誘発する。網膜組織へケルセチンを確実に送達すべく、活性酸素種に応答して、かつ、ミトコンドリアを標的とするリポソームにケルセチンを担持した。Vitro: 網膜細胞R28を酸素グルコース欠乏に晒し、網膜虚血の細胞モデルとした。得られたケルセチンを含むリポソームは、ATPの低減・活性酸素種の発生・乳酸脱水素酵素の増加を軽減した。Vivo: ラットモデルにて、網膜虚血の24 時間後に、リポソームを硝子体に注射すると、網膜の神経炎症・酸化ストレス・アポトーシスが減少した。