ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ナイルティラピア(Oreochromis niloticus)にアバメクチンが誘発した血液生化学的変化と肝腎の酸化的損傷に対するケルセチンの改善効果

Ameliorative Effect of Quercetin against Abamectin-Induced Hemato-Biochemical Alterations and Hepatorenal Oxidative Damage in Nile Tilapia, Oreochromis niloticus

要旨:
アバメクチンは汎用されている殺虫剤であるが、河川の汚染と棲息する生物への悪影響が懸念されている。アバメクチンのナイルティラピア(Oreochromis niloticus)に対する肝腎毒性と、ケルセチンによる保護効果を検証した。アバメクチンを投与したナイルティラピアは、赤血球・ヘモグロビン・ヘマトクリット値・総蛋白質・アルブミン・アセチルコリンエステラーゼ活性が、顕著に減少した。一方、白血球・グルコース・総脂質・コレステロール・ALTおよびAST活性は上昇した。また、肝腎両組織においては過酸化脂質が上昇し、抗酸化物質(GSH・SOD・カタラーゼ・総抗酸化能)は減少した。しかし、ケルセチンの共投与はこの様な異常を改善して、肝および腎保護効果を示した。