ケルセチンは、ラパマイシン標的蛋白質(mTOR)およびβ-カテニンのシグナル伝達を抑制して、線維芽細胞の活性化と腎線維症を阻害する
Quercetin Inhibits Fibroblast Activation and Kidney Fibrosis Involving the Suppression of Mammalian Target of Rapamycin and β-catenin Signaling
- 出典:
- Scientific Reports
- 2016
- 6
- 23968
- DOI:
- 10.1038/srep23968
- 要旨:
- Vivo: 片側尿管結紮で惹起した閉塞性腎疾患のモデルマウスに、ケルセチンを投与した。ケルセチンは、腎組織における、線維化領域・コラーゲンの蓄積・マクロファージの量を著しく減少した。片側尿管結紮がもたらした、線維化に関連する蛋白質(α-SMA・フィブロネクチン)の発現上昇は、ケルセチンが軽減した。Vitro: ラット由来腎線維芽細胞NRK-49FをTGFβ1で活性化して、腎線維症の細胞モデルとした。ケルセチンは、α-SMAとフィブロネクチンの発現を抑制し、mTORとβ-カテニンのシグナル伝達を阻害した。しかし、Smadシグナル伝達には影響を与えなかった。