ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

イソラムネチンはESR1を標的として卵巣癌の進行を阻害する

Isorhamnetin inhibits progression of ovarian cancer by targeting ESR1

要旨:
ネットワーク薬理学にて、イソラムネチンの卵巣癌に対する標的蛋白質を探索した。京都遺伝子ゲノム百科事典(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes, KEGG)および蛋白質間相互作用のネットワークを解析した結果、イソラムネチンと卵巣癌の両方に関連する遺伝子25個の内、13個を高発現遺伝子と認定した。13個の中では、エストロゲン受容体1(ESR1)のみが、卵巣癌患者の生存率と高い逆相関を示した。イソラムネチンは、ヒト由来卵巣癌細胞株SKOV3およびHO8910の増殖・遊走・浸潤を有意に阻害したが、ESR1はイソラムネチンの効果を打消した。イソラムネチンはまた、SKOV3を移植したモデルマウスにて、腫瘍組織の成長を著しく抑制した。