イソラムネチンはESR1を標的として卵巣癌の進行を阻害する
Isorhamnetin inhibits progression of ovarian cancer by targeting ESR1
- 出典:
- Annals of Translational Medicine
- 2022
- 10
- 1216
- DOI:
- 10.21037/atm-22-5064
- 要旨:
- ネットワーク薬理学にて、イソラムネチンの卵巣癌に対する標的蛋白質を探索した。京都遺伝子ゲノム百科事典(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes, KEGG)および蛋白質間相互作用のネットワークを解析した結果、イソラムネチンと卵巣癌の両方に関連する遺伝子25個の内、13個を高発現遺伝子と認定した。13個の中では、エストロゲン受容体1(ESR1)のみが、卵巣癌患者の生存率と高い逆相関を示した。イソラムネチンは、ヒト由来卵巣癌細胞株SKOV3およびHO8910の増殖・遊走・浸潤を有意に阻害したが、ESR1はイソラムネチンの効果を打消した。イソラムネチンはまた、SKOV3を移植したモデルマウスにて、腫瘍組織の成長を著しく抑制した。