ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

トチュウ(Eucommia ulmoides Oliver)葉から単離したケルセチン配糖体は、IRS-1/PI3K/Akt/GSK-3β経路を介してHepG2細胞のインスリン抵抗性を緩和する

Quercetin-3-O-α-L-arabinopyranosyl-(1→2)-β-D-glucopyra-noside Isolated from Eucommia ulmoides Oliver Leaf Relieves Insulin Resistance in HepG2 cells via the IRS-1/PI3K/Akt/GSK-3β pathway

要旨:
トチュウ(Eucommia ulmoides Oliver)葉から新規ケルセチン配糖体を単離し、NMR解析により、quercetin-3-O-α-L-arabinopyranosyl-(1→2)-β-D-glucopyranosideと構造決定した。このケルセチン配糖体は、HepG2細胞をパルミチン酸を作用させた際のグルコースの同細胞への取込みとグリコーゲンの産出を、濃度依存的に促進した。ケルセチン配糖体は、グルコース輸送体の発現を増加し、インスリン受容体基質-1(IRS-1)のリン酸化を阻害し、PI3キナーゼ(PI3K)・Akt・GSK-3βのリン酸化は促進した。PI3K阻害剤の存在下では、ケルセチン配糖体の活性が打消され、IRS-1/PI3K/Akt/GSK-3βシグナル伝達経路の促進を示唆した。