ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

二次アニオン残基を有するケルセチン-鉄(III)錯体の、DNAおよび蛋白質への結合特性・アポトーシス誘導性抗癌特性: 実験的アプローチと理論的アプローチの融合

DNA/Protein Binding and Apoptotic-Induced Anticancer Property of a First Time Reported Quercetin–Iron(III) Complex Having a Secondary Anionic Residue: A Combined Experimental and Theoretical Approach

要旨:
ケルセチンを配位子とする、新規カチオン性鉄(III)錯体[Fe(quercetin)Cl(H2O)(MeO)]を合成した。この錯体は、DNAおよびヒト血清アルブミンと高い親和性を示した。錯体は、DNAに部分的にインターカレーションして、溝結合が示唆された。一方、錯体とアルブミンとは、疎水基間の相互作用を示した。以上の実験結果は、分子ドッキングからも支持された。ヒト由来子宮頸癌細胞株HeLaに錯体を作用すると、アポトーシス誘導性の細胞殺傷と細胞の形態変化を認めた。