ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンー鉄錯体が結合すると、白樺花粉アレルゲンBet v 1の抗酸化能を高め、アレルギー誘発性を低減する

Binding to Iron Quercetin Complexes Increases the Antioxidant Capacity of the Major Birch Pollen Allergen Bet v 1 and Reduces Its Allergenicity

要旨:
白樺花粉の主要アレルゲンであるBet v 1は、鉄欠乏下で上方調節される。そこで、ケルセチンー鉄錯体とBet v 1との相互作用を分子ドッキングで検証した。その結果、解離定数Kdはフリーのケルセチンが1071 nM、ケルセチンー鉄錯体が1.3 nMと算出され、1000倍の差を認めた。ケルセチンー鉄錯体の結合は、Bet v 1のアレルギー誘発性を低下するが、Bet v 1は鉄とケルセチンの両方をヒト免疫細胞に運び、単球の活性化を阻害した。