ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

視床下部-下垂体-副腎系(HPA Axis)の正常化・コリン作動性神経伝達・脳の酸化および炎症の阻害は、心理社会的な敗北ストレスに対するルチンのアダプトゲン様効果と関連している

Normalization of HPA Axis, Cholinergic Neurotransmission, and Inhibiting Brain Oxidative and Inflammatory Dynamics Are Associated with The Adaptogenic-like Effect of Rutin Against Psychosocial Defeat Stress

要旨:
ルチンもしくは生理食塩水(対照)をマウスに投与した後、攻撃者マウスに10分間対面させて心理社会的な敗北ストレスを惹起した。敗北ストレスによる運動障害・記憶障害・不安・うつ様行動の神経行動障害は、ルチンが回復した。ルチンは脳内のアセチルコリンエステラーゼの活性を低下し、副腎肥大・血糖値の上昇・コルチコステロンの上昇を大幅に改善した。敗北ストレスは線条体・前頭前皮質・海馬中にIL-6とTNF-αを上昇し、SODとカタラーゼは低減して、炎症と酸化ストレスを誘発したが、これらもルチンが改善した。よってルチンは、視床下部-下垂体-副腎系を正常化し、神経の酸化ストレスと炎症を改善して、マウスを心理社会的な敗北ストレスから保護した。