ケルセチン・ナリンゲニン・カテキンの抗菌活性: フラボノイドは黄色ブドウ球菌による溶血を阻害し、細菌と赤血球の膜を改変する
Antimicrobial Activity of Quercetin, Naringenin and Catechin: Flavonoids Inhibit Staphylococcus aureus-Induced Hemolysis and Modify Membranes of Bacteria and Erythrocytes
- 著作名:
- Artem G. Veiko
- Ewa Olchowik‐Grabarek
- Szymon Sekowski
- Anna Roszkowska
- Elena A. Lapshina
- Izabela Dobrzynska
- Maria Zamaraeva
- Ilya B. Zavodnik
- 出典:
- Molecules
- 2023
- 28
- 1252
- DOI:
- 10.3390/molecules28031252
- 要旨:
- 黄色ブドウ球菌NCTC 5655株が産生するα-ヘモリシンによる赤血球溶解を、抗菌活性を有するフラボノイドが阻害する仮説を検証すべく、ヒツジの赤血球を用いて、ケルセチン・ナリンゲニン・カテキンの抗溶血活性を評価した。ケルセチンは良好な阻害活性を示し、IC50値は65±5 µMであり、黄色ブドウ球菌に対する最小発育阻止濃度よりも低い濃度であった。しかし、ナリンゲニンとカテキンは、赤血球溶解を阻害しなかった。ケルセチンは、黄色ブドウ球菌の細胞膜の流動性を高め、赤血球膜の表面領域の流動性も高めた。