中医学における不育症の治療と、有効成分としてのケルセチンの効果: 臨床試験・ネットワーク薬理学・実験に基づく研究
The effect of a traditional Chinese quadri-combination therapy and its component quercetin on recurrent spontaneous abortion: A clinical trial, network pharmacology and experiments-based study
- 出典:
- Frontiers in Pharmacology
- 2022
- 13
- 965694
- DOI:
- 10.3389/fphar.2022.965694
- 要旨:
- 臨床: 20~40歳の不育症(再発性流産)の患者480名をランダムに3群に分け、中医学による治療(15種の生薬)・合成黄体ホルモン剤デュファストンの投与・両者の組合せを、それぞれ施した。治療期間は14~28日間として、超音波検査で胎児の心臓活動を確認した時点で治療を中止した。併用治療群の流産率は10.62%であり、中医学単独群の29.17%およびデュファストン単独群の29.06%と比べて有意な(P<0.001)な治療効果を示した。ネットワーク薬理学: 遺伝子オントロジー(GO)および京都遺伝子ゲノム百科事典(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes, KEGG)を解析した結果、生薬の成分132種の内、ケルセチンを有効成分であると特定した。Vitro実験: 栄養膜細胞株HTR-8/SV neoをケルセチンで処置すると、低酸素による生存率と増殖の低下・アポトーシス・ミトコンドリア機能不全を予防した。