予測不可能な慢性軽度ストレス下にて、ケルセチンはラットの肝臓の代謝プロファイルを調節する: メタボロミクス解析に基づく研究
Quercetin modulates the liver metabolic profile in a chronic unpredictable mild stress rat model based on metabolomics technology
- 出典:
- Food & Function
- 2023
- 14
- 1726-1739
- DOI:
- 10.1039/D2FO03277E
- 要旨:
- 予測不可能で軽度なストレスをラットに継続的に与えると、うつの症状とともに肝機能の異常を惹起した。ケルセチンの投与は用量依存的に、ALT・AST・マロンジアルデヒドを低下し、SODとGSHは増大して、肝機能の回復と酸化ストレスの軽減を示した。ケルセチンはまた、うつの評価指標としての尾懸垂試験と強制水泳試験のスコアを改善した。肝組織のメタボロミクス解析の結果、特定した代謝物の内、メチオニンと胆汁酸がストレスで上昇し、ケルセチン投与で低減した。メチオニン代謝の異常とケルセチンによる改善は、肝機能の不全がうつ病の要因となることを初めて示した。一方、肝胆汁酸の異常な上昇は、微生物叢 - 腸 - 脳軸のうつ病への関与を示唆している。