ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

糖尿病性腎症においてルチンは、PI3K/AKT/mTOR経路を介するHDAC1の阻害により、オートファジーを回復して上皮間葉転換(EndMT)を軽減する

Rutin alleviates EndMT by restoring autophagy through inhibiting HDAC1 via PI3K/AKT/mTOR pathway in diabetic kidney disease

要旨:
Vivo: 糖尿病発症モデルマウスにルチンを8週間投与すると、腎機能と腎組織の構造を著しく改善した。ルチンは、HDAC1の発現を大幅に下方調節した。Vitro: ヒト由来腎糸球体内皮細胞を高濃度のグルコースで刺激して、糖尿病性腎症の細胞モデルとした。ルチンの投与は、細胞のオートファジーを活性化し、上皮間葉転換を抑制した。ルチンはまた、PI3K/AKT/mTOR経路におけるリン酸化を阻害した。siRNAにてHDAC1をサイレンシングした同細胞は、高濃度グルコースがもたらす上皮間葉転換を阻害して、vivo実験におけるルチンによるHDAC1発現抑制を裏付けた。