ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチン・ルチン・両者を含むβ-シクロデキストリン包接複合体の合成・物性評価・抗酸化作用・抗癌活性

Synthesis, characterization, antioxidant activity of Quercetin, Rutin and Quercetin-Rutin incorporated β-cyclodextrin inclusion complexes and determination of their activity in NIH-3T3, MDA-MB-231 and A549 cell lines

要旨:
ケルセチン・ルチン・その両者を含むβ-シクロデキストリン包接複合体を凍結乾燥法で調製し、それらの構造を各種スペクトロスコピーにて確認した。ゼータ電位は-21.20±0.56~-7.10±0.62 mVの範囲であった。包接複合体の水溶性は、フリーのケルセチンおよびルチンのそれぞれ29倍および35倍に向上した。ケルセチンの抗酸化作用は複合体を形成しても変わらなかったが、ルチンの場合は、複合体の形成による著しい低下が認められた。ケルセチン複合体は、ヒト乳癌細胞由来MDA-MB-231に強い抗増殖活性を示し、IC50値は5 µMであった。