ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ルチン-ガリウム複合体を用いる光線力学的療法: ミュータンス連鎖球菌のバイオフィルムに関するin vitro研究

Rutin-gallium complex mediated antimicrobial photodynamic therapy: An in vitro studies against Streptococcus mutans biofilms

要旨:
ルチンーガリウム錯体を合成し、可視光吸収を調べた。ルチン比べて60 nmのブルーシフトと、吸光係数の増加を認めた。ミュータンス連鎖球菌に対して、ルチンーガリウム錯体(10.0 μM)処置のみと、光線力学的療法との併用を比較した。その結果、細胞内に発生した活性酸素種の指標となる蛍光強度は、前者が1.7±0.3 a.u.で、後者が7.1±0.9 a.u.であった。また、光線力学的療法との併用によりバイオフィルムが91.4%減少した。よって、ルチンーガリウム錯体は光線力学的療法における光増感剤として機能する。