ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンを含むナノリポソームで強化したペクチンーキトサン系複合フィルムは、肉の腐敗細菌類を制御する

Potential of pectin-chitosan based composite films embedded with quercetin-loaded nanofillers to control meat associated spoilage bacteria

要旨:
生分解性の食品包装材料として、ペクチンーキトサン系複合フィルムを開発候補としている。これにケルセチンを含むナノリポソーム(粒径: 191±7 nm、ゼータ電位: -37±5.7 mV)を添加すると、機械的強度が向上した。すなわち、引張強度は2.49±0.02 MPaから9.74±0.26 MPaに増大し、ヤング率は5.04±0.04 MPaから24.17±0.64 MPaに向上した。ケルセチンを含むナノリポソームの疎水性を反映して、水分含量は84.24±0.45%から31.03±1.81%に低下した。得られた新規フィルムは、多剤耐性を含む大腸菌、リステリア・モノサイトゲネス、サルモネラ菌に優れた抗菌活性を示した。これらは肉類を腐敗する細菌類であり、ケルセチンを含むフィルムは食品包装材料として有望である。