ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

乳癌へのケルセチンの送達とヒアルロン酸ナノミセルによる増強

Delivery of quercetin for breast cancer and targeting potentiation via hyaluronic nano micelle

要旨:
ヒアルロン酸にドデシルアミンを結合して、両親媒性のポリマーを得た。両親媒性のヒアルロン酸アミドは、ケルセチンと自己集合して、薬物送達ミセルを形成した。ケルセチンの封入効率は75.9 %に達し、しかもヒアルロン酸の性質であるCD44との親和性は維持しているため、無修飾のヒアルロン酸ミセルと比べてより多くのケルセチンをCD44に送達した。また、両親媒性ミセルにはpH応答性があり、弱酸性でケルセチンを放出でき、癌細胞に対する効果が期待された。実際、乳癌細胞を移植したマウスに両親媒性ミセルを投与すると、腫瘍組織の成長阻害率は91.8 %であった。