メチシリン耐性黄色ブドウ球菌のβ-ラクタマーゼ阻害剤を、フラボノイドからコンピュータ創薬アプローチで探索する
Identification of Potential Inhibitors for Beta-Lactamase in Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus from Flavonoids Using a Computational Drug Discovery Approach
- 出典:
- Letters in Drug Design & Discovery
- 2023
- 20
- 1086-1097
- DOI:
- 10.2174/1570180819666220610112231
- 要旨:
- 黄色ブドウ球菌がメチシリン耐性を獲得する鍵は、β-ラクタマーゼの産出にある。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に有効な抗菌剤をフラボノイドから探索すべく、分子ドッキングと分子動力学シミュレーションにて、同酵素との親和性を予測した。その結果、ルチン・イソケルシトリン・ニコチフロリン・ケルセチン-3-O-ラムノシド・ビセニン-2・ケルシトリン・オリエンチンの7種が、高い結合エネルギー(−10 kcal/mol以下)であった。特にルチンは、結合阻害定数(Ki値)がピコモルオーダーであると予測した。また、β-ラクタマーゼのGln237との相互作用が、活性の出現に最も重要であった。