ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

アベルメクチンがコイに誘発した脾毒性におけるケルセチンの保護効果: 炎症応答および酸化的損傷に対する耐性

Protective effect of quercetin on avermectin induced splenic toxicity in carp: Resistance to inflammatory response and oxidative damage

著作名:
Enzhuang Pan
Huizhen Chen
Xinyu Wu
Nana He
Jiajie Gan
Huimiao Feng
Yong Sun
Jingquan Dong
出典:
Pesticide Biochemistry and Physiology
2023
193
105445
DOI:
10.1016/j.pestbp.2023.105445
キーワード:
アベルメクチン
コイ
ケルセチン
脾保護
抗炎症作用
抗酸化作用
動物実験
要旨:
半数致死量(LD50)の1/10のアベルメクチンに30日間暴露したコイは、脾組織の脆弱化と炎症を引起こした。脾組織にはIL-1β・IL-6・TNF-αが上昇し、抗炎症因子のIL-10とTGF-β1は減少した。さらに脾組織には活性酸素種が蓄積し、マロンジアルデヒドが上昇し、総抗酸化能・カタラーゼ・GSHは減少して酸化ストレスが進行した。アベルメクチンの暴露期間にケルセチンを投与したコイは、この様な脾毒性が大幅に軽減した。ケルセチンはiNOSの発現を阻害して、NF-κB経路の遮断により抗炎症作用を発揮した。ケルセチンはまた、アベルメクチンが過剰に活性化したNrf2/Keap-1経路を抑制して、脾組織のレドックス恒常性を回復した。