魚油中のケルセチンの抗酸化作用と化学変化: ケルセチンは遊離脂肪酸と反応してエステルを形成する
Antioxidative Properties and Chemical Changes of Quercetin in Fish Oil: Quercetin Reacts with Free Fatty Acids to Form Its Ester Derivatives
- 出典:
- Journal of Agricultural and Food Chemistry
- 2021
- 69
- 1057–1067
- DOI:
- 10.1021/acs.jafc.0c07273
- 要旨:
- 魚油を60℃に5時間保管した際の、ケルセチンの効果を調査した。CG分析の結果、ケルセチンは、魚油中に含まれる不飽和脂肪酸の酸化を顕著に抑制した。しかし、ケルセチンの効果は、加熱時間が長くなるにつれて徐々に減少した。同時に、新規化合物の生成を認め、LC-MS-MS分析の結果、ケルセチンの3位のフェノールがEPAもしくはDHAと縮合したエステル誘導体であった。これらのエルテル誘導体はラジカル消去能力が弱く、ケルセチンの酸化抑制効果の減少を裏付けた。