ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ヒトRSウィルスが誘発した炎症性肺損傷に対するケルセチンの効果を、メタボロミクス解析とネットワーク薬理学との統合で検証する

Integrating metabolomics and network pharmacology to assess the effects of quercetin on lung inflammatory injury induced by human respiratory syncytial virus

要旨:
RSウィルスに感染したマウスにケルセチンを投与すると、炎症性肺損傷を大幅に軽減した。肺組織のメタボロミクス解析の結果、52種の代謝物と、その標的蛋白質244種を明らかにした。一方、ネットワーク薬理学解析は、ケルセチンの標的蛋白質として126種を予測した。両者の共通項として、ヒポキサンチン-グアニンホスホリボシル基転移酵素(HPRT1)・チミジン加リン酸分解酵素(TYMP)・ラクトペルオキシダーゼ(LPO)・ミエロペルオキシダーゼ(MPO)・チトクロームP45019A1(CYP19A1)を特定した。これらの5種は全てプリン代謝経路に関与しており、ケルセチンの抗RSウィルス作用とプリン代謝との関連を示唆した。