ネットワーク薬理学: 扶正抑瘤(Fuzheng Yiliu)煎じ薬の成分ケルセチンは、PI3K/AKT経路を調節して前立腺癌を抑制する
Based on Network Pharmacology-Quercetin, a Component of Fuzheng Yiliu Decoction Suppressed Prostate Cancer by Regulating PI3K/AKT Pathway
- 著作名:
- Wei Fu
- Lei Xu
- Yingwen Chen
- Xuyao Lin
- Gaoli Hao
- Chenxi Li
- Hongying Li
- Zezheng Zhang
- Shuchao Chen
- Xujun You
- Qixin Li
- 出典:
- Andrologia
- 2023
- 2023
- 1445953
- DOI:
- 10.1155/2023/1445953
- 要旨:
- 扶正抑瘤(Fuzheng Yiliu)は中医学で癌の治療に用いられている煎じ薬であるが、前立腺癌に対する作用機序を、ネットワーク薬理学と実験で明らかにした。生薬のデータベースより、扶正抑瘤の標的遺伝子290種を取得し、内198種が前立腺癌に関連していた。蛋白質間相互作用ネットワークを構築し、京都遺伝子ゲノム百科事典(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes, KEGG)と遺伝子オントロジーを解析した結果、MAPK1・AKT1・MAPK3・STAT3・Junが主要な標的であった。扶正抑瘤をHPLC分析した結果、ケルセチンが主成分であった。ヒト由来前立腺癌細胞株PC-3を用いて、ケルセチンによる同細胞の増殖と転移阻害効果を確認した。ケルセチンはPI3K/AKT経路を抑制して、同細胞にアポトーシスを誘導した。