非ヒト霊長類における、ダサチニブとケルセチンの長期投与の老化と炎症への効果: 老化細胞除去剤の臨床試験デザインへの影響
Long-term dasatinib plus quercetin effects on aging outcomes and inflammation in nonhuman primates: implications for senolytic clinical trial design
- 著作名:
- Alistaire D. Ruggiero
- Ravichandra Vemuri
- Megan Blawas
- Masha Long
- Darla DeStephanis
- Abigail G. Williams
- Haiying Chen
- Jamie N. Justice
- Shannon L. Macauley
- Steven M. Day
- Kylie Kavanagh
- 出典:
- GeroScience
- 2023
- 45
- 2785–2803
- DOI:
- 10.1007/s11357-023-00830-5
- 要旨:
- ダサチニブとケルセチンとの組合せによる老化細胞除去剤の長期投与(6ヶ月)を、非ヒト霊長類(NHP)で初めて検証した。NHP16匹を2群に分け、介入群9匹はダサチニブ5 mg/kgとケルセチン50 mg/kgを月2回、2日連続した投与を6ヶ月間継続した。一方、対照群7匹にはビークルのみを投与した。両群とも、最後の6ヶ月目には10%のカロリー制限を行い、同程度の体重減少を誘発した。介入群は対照群と比べて顕著に、脂肪組織における老化マーカー遺伝子の発現を減少し、免疫細胞を抗炎症側へ変化させ、微生物転座バイオマーカーの減少により腸内細菌叢を改善した。カロリー制限は、免疫細胞プロファイルを改善して両群に有益であったが、介入群では糖化したヘモグロビン(HbA1c)が劇的に減少した。また、安全性も検証され、臨床試験へ進められるデータを得たことになる。