ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

アルツハイマー病のマウスモデルにおける、タウ蛋白質による病理と神経炎症はルチンが予防する

Rutin prevents tau pathology and neuroinflammation in a mouse model of Alzheimer’s disease

要旨:
タウ蛋白質はアルツハイマー認知症と深く関係するが、その凝集をルチンが阻害した。ルチンはまた、タウ蛋白質の凝集体が原因となる神経毒性も緩和した。P301Sマウス(タウ蛋白質による神経原線維変化のモデル)にルチンを投与すると、モリスの水迷路・Y字迷路試験・新奇探索試験の3つの異なる評価系で、認知機能の劇的な改善を認めた。今回のvivo試験で明らかにした、ルチンのメカニズムは以下の3点。1) 脳内タウ蛋白質のレベルを減少させる。2) PP2Aを増大させて、タウ蛋白質のリン酸化を阻害する。3) NF-κBシグナルの不活性化を介する、神経炎症の鎮静と星状膠細胞の抑制。