ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

糖尿病と創傷を治癒する、ケルセチン-リンカー-H2Sドナー複合体の設計・合成・生理活性評価・分子ドッキング

Design, synthesis, biological evaluation and molecular docking studies of quercetin-linker-H2S donor conjugates for the treatment of diabetes and wound healing

要旨:
ケルセチンが糖尿病に有効性を示し、硫化水素(H2S)が創傷治癒を加速する事実を基に、ケルセチンとH2Sとをリンカーで結合した誘導体を合成し、各種スペクトロスコピーで構造を確認した。高濃度グルコースでインスリン抵抗性の状態にした肝細胞HepG2に新規誘導体を作用すると、顕著な改善効果を認めた。新規誘導体はまた、高濃度グルコース条件下においてもヒト臍帯静脈内皮細胞の増殖と細管の形成を促進して、創傷治癒における有効性も示唆した。