ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ヒ素による小麦葉緑体の酸化的損傷と光合成阻害における、ケルセチンとケンフェロールの保護的役割

Protective role of quercetin and kaempferol against oxidative damage and photosynthesis inhibition in wheat chloroplasts under arsenic stress

要旨:
小麦にヒ素ストレスを与えると(100 μM)、相対成長速度が50%低下し、葉の水分が25%減少した。しかし、ケルセチンもしくはケンフェロール(25 μM)の処置により回復した。ケルセチンとケンフェロールは、光合成の量子効率(Fv/Fm)を維持して、ヒ素の毒性を軽減した。ヒ素はまた、葉緑体中の過酸化水素を42%上昇したが、ケルセチンとケンフェロールはSOD・ピルビン酸オキシダーゼ・アスコルビン酸ペルオキシダーゼの活性を高めて過酸化水素を軽減した。さらに、ケルセチンによるグルタチオン-アスコルビン酸回路(過酸化水素を解毒する)の促進と、ケンフェロールによるGSHの維持も明らかにした。