ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンはWnt3a/β-カテニンおよびAkt/NF-κBシグナル伝達経路を二重阻害して、MGMTが陽性の膠芽腫細胞にアポトーシスを誘導する

Quercetin induces MGMT+ glioblastoma cells apoptosis via dual inhibition of Wnt3a/β-Catenin and Akt/NF-κB signaling pathways

要旨:
ケルセチンは、ヒト由来膠芽腫細胞株T98Gにアポトーシスを誘導し、細胞周期のS期を停止して、増殖と遊走を阻害した。ミトコンドリア膜電位の低下・活性酸素種の生成・Bax/Bcl-2 比の増加・カスパーゼの強化は、ミトコンドリア依存性のアポトーシスを示唆した。また、アポトーシスには、DNA二本鎖切断・MGMT(アルキル化抗癌剤を無効にするDNA修復酵素)プロモーターのメチル化・MGMT発現の減少が伴っていた。ケルセチンは、Wnt3a/β-カテニンおよびAkt/NF-κBシグナル伝達経路を二重阻害して、MGMTの発現を抑制し、アポトーシスを促進した。