ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ヘスペレチン-7-O-グルコシド/β-シクロデキストリン包接複合体による、ラットおよび健常人におけるバイオアベイラビリティの向上

Improved bioavailability of hesperetin 7-O-glucoside inclusion complex with β-cyclodextrin in Sprague-Dawley rats and healthy humans

要旨:
ヘスペレチンのバイオアベイラビリティを向上すべく、ヘスペレチン-7-O-グルコシドとβ-シクロデキストリンより包接複合体(HEPT7G/βCD)を合成した。HEPT7G/βCDを経口投与した際のヘスペレチンの体内動態を、ラットおよびヒトで評価した。ラット: HEPT7G/βCDは、ヘスペレチン-レシチン包接複合体および糖転移ヘスペリジンと比べ、バイオアベイラビリティが大幅に向上した(P<0.01)。特に糖転移ヘスペリジンの12.1倍の値を示した。ヒト: 健常人8名を対象に、無作為化・二重盲検・比較対照・クロスオーバーで実施した。比較対照にはヘスペリジンを選定し、ウォッシュアウト期間は7日間とした。対照群と比べてHEPT7G/βCD群は、投与直後の血中ヘスペレチン濃度の上昇が顕著であり(P<0.001)、最大血中濃度到達時間(Tmax)が10倍早かった(P=0.016)。血中濃度時間曲線下面積(AUC)は、HEPT7G/βCD群が34.44±18.24 μmol·h/Lで対照群が0.33±0.46 μmol·h/Lであり、104倍の向上を認めた(P=0.001)。